顎関節症の方が急増しています
- 口を開けたときに顎関節がカクカクと鳴る
- 痛くて大きく口を開けられない
- 朝起きると、顎関節に違和感がある
こうした症状があれば、顎関節症の疑いがあります。
顎の痛み・顎関節の雑音・口を大きく開けられない……この症状は、顎関節症の3大症状です。
そのままにしているとさらに症状が悪化して、激痛が走るようになります。
当院では顎関節症の治療を行っています。顎の不調でお悩みの方は、早めに当院までご相談ください。
顎関節症とは
顎関節症は、顎の関節や筋肉に異常が現れる病気で、主な症状には「顎の痛み」「顎関節の雑音」「口を大きく開けられない」などがあります。
日本人の半数が顎関節症!?
近年、顎関節症の症状を訴える人が急増しています。
特に女性に多く、日本人の5人に1人は潜在的な顎関節症だと言われています。
アメリカではさらに多く、アメリカ人の4割に顎関節症の症状があるそうです。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は、噛み合わせや歯ぎしり、食いしばり、頬杖や足組みなどの顎に悪い影響を与えるクセ、精神的なストレスや外因的な要因などが挙げられます。
特に噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりによる影響は大きく、噛み合わせのバランスが悪くなると顎の関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすと考えられています。
原因にアプローチする顎関節症治療
顎関節症は、痛みや違和感だけを取り除く対処療法だけでは原因はなくなりません。
当院では、原因にアプローチしながら顎関節症を改善していきます。
お口の中の状態から顎に悪い影響を与える悪いクセ、生活習慣、家庭環境に至るまで、患者さんの背景を探っていくことで、問題解決の糸口が見えてきます。
それらを総合的に判断し、根本的な原因を取り除きながら顎関節症を改善します。
顎関節症の主な症状
「顎の痛み」「顎関節の違和感」「口が開かない」この症状は、顎関節症の3大症状です。それだけでなく、頭痛や肩こりなどの症状が現れる場合もあります。
顎に現れる症状
- 顎関節の痛みや炎症
- 顎やこめかみの筋肉の痛み、こり
- 顎関節にカクカクと音がする(クリック音)
- 噛み合わせがズレる
- 顎や頭、顔の骨の歪み
- 顎関節の脱臼や異常な動き
全身に現れる症状
- 肩や首のこり
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 睡眠障害
- 飲食物を飲み込みづらい
- 自律神経失調症
- うつ病
顎関節症の種類と原因
顎関節症にはさまざまな種類と原因がありますが、主に4種類に分けられます。
- 1.筋肉の炎症
- 2.関節の捻挫
- 3.関節円板のズレ
- 4.骨の変形
1は、「顎関節を動かす筋肉の炎症」です。
2~4は関節の内部異常によるものです。
1:筋肉の炎症
口を動かしたり噛んだりするのに重要な側頭筋や咬合筋に炎症を起こす顎関節症があります。
「我慢すれば口を開けられるが、開けると痛い。」「片頭痛がする。 頬がくすんで重たい。 頬が腫れている。
顔が歪んでいる。」などの症状が現れたら、筋肉の炎症が原因かもしれません。
この顎関節症は、筋肉の痛み(筋緊張)が原因なので、顎関節症そのものには何の問題もないのです。
症状を改善するためには、筋肉をリラックスさせることが大切です。
2:関節の捻挫
関節には、骨のほかに、軟骨、靭帯などの組織があります。
過度な力が加わることによって、その組織を損傷してしまう場合が関節の捻挫による顎関節症です。
筋肉の炎症と同様に、我慢すれば口を開けることは可能ですが、口を開けると痛みなどの症状が出ます。
ただし、筋肉の炎症との大きな違いは、関節に炎症が起きて痛みがあるときは、顎を休ませる必要があることです。
無理に動かすと炎症が進み、関節の可動域が狭くなってしまいます。
3:関節円板のズレ
正常な顎関節では、開いた口の動きによって、関節円板というクッションの役割をする組織が機能しています。
しかし、このクッションがズレてしまうと
「口を開けると、ポキポキ音がする。」
「口を開けようとすると、引っかかるような感覚で開けられない。」
「口を開こうとすると痛い」
音がでるだけなら経過観察する場合もありますが、骨が変形してしまう可能性もあるので早めの治療が大事です。
4:骨の変形
関節円板がずれ、下顎頭とその上の下顎窩と直接接触し、加齢により軟骨が薄くなり、骨の変形が起こる顎関節症です。
口を開けるときに引っかかりや痛みがあります。
下顎頭と下顎窩が擦れてゴツゴツとした音がすることもあります。
軟骨は女性ホルモンの影響を受けるため、ホルモン量が少ない中高年の方に多く見られます。
このような症状が出たら
顎関節症にはさまざまな治療法がありますが、根本的な原因を改善しない限り、症状が緩和されない場合があります。
ネットの情報を鵜呑みにせず、まずはカウンセリングを受けていただくことをおすすめします。
顎関節症の治療
スプリント療法
顎関節症の治療にはさまざまな方法がありますが、現在、最も広く行われている治療がスプリント療法です。
スプリント療法は、顎関節症治療用のマウスピース「スプリント」を使った治療法で、マウスピースを装着して上下の歯を噛み合わせたときの力を均等にし、顎関節にかかる力を軽減します。
同時にお口周りの筋肉の緊張がほぐれてくるので、顔立ちも変わってきます。
薬物療法
顎関節症が悪化すると、痛みが伴い、口の開閉が困難となります。
強い痛みがある場合は、まず痛みを取り除くことが先決なので、薬物療法で痛みをコントロールします。
薬物療法は、症状に応じて薬を処方します。
たとえば、激しい痛みには鎮痛剤、顎の筋肉の緊張が強い場合は筋弛緩薬です。
また、ストレスからくる顎関節症の場合は、抗不安薬を処方します。
レーザー療法
顎関節症で痛みや開閉困難な症状があるときは、レーザー療法で緩和します。
顎関節の部分にレーザーを照射すると血行が良くなり、痛みが和らいで口が開きやすくなります。
皮膚の上から直接レーザーを当てますが痛みはなく、じんわりと温かくなってきます。
顎関節症の予防をするために
顎関節症の予防のためには、顎関節に負担をかけないことが大切です。
以下の点にご注意ください。
- 食いしばりを意識してなくす
- 仕事に集中しているときや、ストレスを感じたときに歯を食いしばる癖のある方は、意識してやめるようにしましょう。
顎関節に負担がかかり、顎関節症になる可能性があります。
- TCH(歯の接触癖)に気をつけましょう
- TCHとは、上下の歯がわずかながら触れ合い、顎関節を圧迫している状態のことです。
上下の歯には2mm程度の隙間があるのが普通なので、TCHを意識して、顎関節をリラックスさせるように気をつけましょう。
- 睡眠中の歯ぎしりを改善
- 睡眠中の歯ぎしりは、顎関節症の原因の第1位と言われています。
この状態を改善するためには、顎関節を緩和するマウスピースを装着します。
- 虫歯・歯周病の適切な治療
- 虫歯や歯周病を放置しておくと、虫歯や歯周病のない側だけで噛む癖がつき、片側の顎関節に負担がかかってしまうことがあります。
治療は顎関節症の予防だけでなく、口腔内の健康維持のためにも重要ですので、虫歯や歯周病は放置せず、きちんと治療するようにしましょう。
- 左右でバランスよく噛む
- 片方だけ噛む癖があると、そちらの顎関節に負担がかかりすぎて、顎関節症になる可能性がありますので、ぜひバランスよく噛んでみてください。
- 頬杖と伏せ字に注意
- 頬杖やうつぶせの姿勢など、顎関節に負担をかける習慣は、顎関節症のリスクを高めることになります。
自覚がある方は、気をつけて習慣を改善し、顎関節症の予防に努めましょう。
- ストレスをなるべくためないようにする
- ストレスは歯ぎしりや食いしばりにつながり、顎関節症の発作を引き起こす可能性があります。
ストレスフリーで、リラックスした時間を過ごすことを心がけましょう。