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歯のデコボコ(叢生)の矯正治療について


歯のデコボコ(叢生)とは、歯が適切な位置に並ばず、歯並びが不規則である状態を指します。これにより、歯が重なり合ったり、隙間ができたりすることがあります。デコボコ(叢生)は見た目だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康にも影響を及ぼすため、適切な矯正治療が重要です。以下では、歯のデコボコ(叢生)の原因、影響、診断、治療方法について詳述します。

1. 歯の叢生の原因

デコボコ(叢生)は、いくつかの要因によって引き起こされることがあります。

遺伝的要因

歯並びは遺伝的な要素が強いとされています。両親の歯並びや顎の形状が影響を与えるため、家族に叢生がある場合、自分も歯のデコボコ(叢生)を引き起こすリスクが高くなります。

顎の成長不全

顎の成長が不均衡な場合、歯が適切に並ぶスペースが不足することがあります。特に、上顎や下顎の大きさに対して歯が大きすぎる場合や、逆に顎が小さすぎる場合にデコボコ(叢生)が生じやすいです。

乳歯の早期喪失や遅延

乳歯が早期に抜けてしまうと、永久歯の位置がずれてしまうことがあります。また、乳歯が抜けるのが遅れることによって、永久歯の生えるタイミングにズレが生じ、歯のデコボコ(叢生)を引き起こすことがあります。

歯の大きさや形状の異常

歯自体が大きすぎる、または小さすぎる場合もデコボコ(叢生)が発生する原因になります。歯が大きいと顎に収まりきれず、歯並びが乱れます。

習慣的な口呼吸

口呼吸をすることで、舌の位置が異常になり、顎の発育に影響を与えることがあります。このような影響により、歯並びが乱れることがあります。

2. 歯のデコボコ(叢生)の影響

歯のデコボコ(叢生)は見た目だけでなく、口腔内の健康にもさまざまな影響を及ぼします。

歯磨きがしにくくなる

歯が重なり合っているため、歯ブラシが届きにくくなり、歯垢や食べかすがたまりやすくなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

噛み合わせの不良

歯のデコボコ(叢生)によって、噛み合わせが正しくない場合、食事をする際に歯や顎に不必要な負担がかかります。これが長期的に続くと、顎関節症や頭痛などを引き起こす可能性があります。

発音への影響

歯並びが悪いと、発音に影響が出ることがあります。特に、歯が前方に突き出ている場合や、隙間がある場合、発音が不明瞭になることがあります。

心理的な影響

歯のデコボコ(叢生)が原因で自信を持てない、笑うことを避けるなど、心理的な負担がかかることがあります。見た目に対する不安から、対人関係に支障をきたすこともあります。

3. 歯のデコボコ(叢生)の診断

歯のデコボコ(叢生)を診断するためには、まず歯科医師による詳細な検査が必要です。主な診断方法は以下の通りです。

口腔内検査

歯並びや噛み合わせを直接確認します。歯の状態や顎の形状をチェックし、デコボコ(叢生)の程度を評価します。

X線検査(レントゲン)

歯や顎の骨の状態を詳細に把握するためにレントゲンを撮影します。これにより、歯の生え方や顎の発育状態を確認し、治療方針を決定します。

口腔内模型作製

歯型を取って模型を作製し、歯並びの詳細を確認します。この模型を基に矯正計画を立てます。

口腔内写真、顔面写真

矯正治療前の口腔内写真は、歯並びや咬み合わせを診断・記録するために撮影します。

4. 歯のデコボコ(叢生)の矯正治療

歯のデコボコ(叢生)の矯正治療は、歯並びを整えるための方法としていくつかの選択肢があります。治療の方法は、デコボコ(叢生)の程度や患者の年齢、希望に応じて決定されます。

ワイヤー矯正(ブラケット治療)

最も一般的な矯正方法で、歯にブラケットを装着し、ワイヤーを使って歯を移動させます。治療期間は通常1年半から3年程度で、定期的に通院して調整を行います。この方法は、歯の位置を精密に調整できるため、デコボコ(叢生)の治療に効果的です。

インビザライン(マウスピース矯正)

透明なマウスピースを使用する矯正方法です。目立ちにくく、取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすいという利点があります。ただし、症例によってはワイヤー矯正よりも治療が難しい場合があります。

リンガル矯正(裏側矯正)

歯の裏側にブラケットを装着する方法です。外見上、矯正装置が見えないため、見た目を気にする方に適しています。ワイヤー矯正と同じように歯の位置を移動させることができますが、装置が裏側に取り付けられるため、慣れるまで不快感を感じることがあります。ただし、表側に装置を装置する方法に比べ、治療期間が長くなります。

歯の抜歯

デコボコ(叢生)がひどい場合や、歯並びを整えるためにスペースを作る必要がある場合、歯を抜歯することがあります。抜歯の有無については慎重に判断されます。

外科的矯正治療(保険適用)

顎の骨の発育不全が原因でデコボコ(叢生)が発生している場合、外科的な治療が必要になることもあります。矯正治療と並行して顎の手術を行うことで、より効果的な結果が得られます。

5. 治療後の維持管理

矯正治療が終了した後も、歯並びを維持するためには保定装置(クリアリテーナー)を使用することが一般的です。治療後に歯が元の位置に戻らないようにするため保定装置(クリアリテーナー)を使用して歯を固定します。

また、定期的な歯科検診を受けることで、歯並びの状態を確認します。

6. 結論

歯のデコボコ(叢生)は、見た目だけでなく口腔内の健康や心理面にも多くの影響を与えます。矯正治療によって歯並びを改善することは、健康的な口腔環境を作るだけでなく、自信を持って笑顔を見せることにも繋がります。デコボコ(叢生)の治療には時間と費用がかかることがありますが、長期的な口腔内の健康を考えると、矯正治療は非常に重要な選択肢です。治療方法や進行度に応じた最適なアプローチを選択し、専門の歯科医師と共に最良の結果を目指しましょう。

症例紹介

治療前

治療後

主訴でこぼこを綺麗にしたい
診断名叢生
年齢20代女性
治療内容ブラケットを用いた歯列矯正治療
スライダー
抜歯・非抜歯抜歯あり
44
54
治療期間動的治療3年
費用総額¥1,240,000(税込)
(相談料、検査料、診断料、動的治療費、保定期間料、抜歯代、スライダー費、アンカースクリュー費等を含む)
リスク・副作用歯痛、ムシ歯、歯周病、口内炎、発音障害、歯根吸収、歯肉退縮、歯髄炎、顎関節症、歯の咬耗とエナメルクラック


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